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講堂朝礼〜生徒へのメッセージ〜

Messages for Students

第2学期 始業式 校長 古賀誠子

                           

暑い夏が終わりに近づき、朝晩と涼しくなってきました。みなさんの夏は、いかがでしたでしょうか。部活動や、課外授業、そしてコースごとの様々なイベント、海星祭の準備に取り組むみなさんの姿が、大変殊勝で、誇らしく思えます。皆さんと挨拶を交わしていると、きちんと立ち止まって丁寧にあいさつをしてくれます。部活動の合同練習に参加した中学生の保護者の方々が、「校舎もきれいに清掃されていますし、なんといっても生徒さんがきちんと立ち止まって挨拶ができて、素晴らしいですね。」と褒められ、皆さんを大変誇らしく思う日々でした。一年の中でもっとも長い2学期、皆さんは具体的な目標はすでに決まっていますか。短期的な目標、そして長期的な目標を組み合わせて、またさらに向上していくあなたであってほしいと願います。私の夏休みは、卒業生に合う機会が多くありました。不動産会社で働き、大きな実績をあげたといって喜んでいました、コンピューターエンジニアとして活躍しているもの、大きな会社の事務職として働くもの、福岡県の行政で働いているもの、救急救命士として働くもの、いろんな卒業生がいます。どの卒業生も、海星を卒業したことを誇りに思い、海星で学んだ日々が今の自分の中で誇りになっていると言います。さらに母校の発展を願ってくれているのがとても嬉しく思いました。今年は創立60周年、同窓会の皆様からもたくさんのご支援をいただき、2学期は周年行事が次々と盛大に開催されます。60周年記念海星祭、テーブルマナー講習会、修学旅行、芸術鑑賞会、ニュージーランド語学研修、そして創立記念式典。同窓会の皆さんからのエールを、感謝をもって受けとめ、海星を次の世代へとつなぐ、大きな節目を担う私たちの責任を共に果たしていきましょう。

さて、7月28日、福岡神学院にて、職員宗教研修会を実施しました。職員研修会のテーマは、「シノドス~共に歩む」です。牧山神父様から、私たち教職員に投げかけられた最初の言葉は、「あなたは本当にこれまで一人で歩んできましたか。」という問いでした。確かに、私たち一人一人は、無力な赤ちゃんのときから親からの愛情をたくさん受け、お世話をしてもらい、小、中、高、大学へと進学を精神的にも、経済的にも手伝ってもらって、ここまできています。病気をしたときも、無償の愛を親から受け、病院につれていってもらって看病してもらい、食事を与えてもらった。そして、あなたに困難や苦労があったときは、一緒に悩んで、時には一緒に泣いて、そして一生懸命自分の将来のことをたくさん一緒に考えてもらって、私たちの今があります。そして、誰でも皆等しく、どんな形であっても、常に親からの愛を受けているといえます。私の父親はすでに他界しましたが、父親から受けた愛情は、私の中に今でも脈々と流れています。「何事も神様の許可なしでは起こらない。」「神様がなさることに口をはさむことはできない。」、先日シスターがおっしゃった言葉がとても心に響きましたが、わたしたちは、豊かな現実を与えられても、息ができないほどの厳しい現実を与えられても、見える形でも、そして見えない形でも、あなたと「共に生きる」人が常にそばにいます。そして日々私たちは、そこから勇気や自信をもらって前に進むことができるのです。神父様は、「父母を通して、神を知る」とおっしゃいました。つまり「父母の愛を通して、神の愛を知る」ということです。

ただいま、お読みしました聖書の箇所にあるとおり、「偽りのない愛」とは、次のようにして実現します。「尊敬をもって互いに相手を優れたものといなさい。」「貧しさを自分のものとして彼らを助け、旅人をもてなすよう努めなさい」「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」「誰に対しても悪に悪をかえさず、すべての人の前で善を行うようにつとめなさい。」「愛する者たち、自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。」「復讐はわたしのすること、わたしが報復する」と主は言われると書いてあります。だから、私たちは怒りを抑えましょう。「時間は命です。」どう使うのかはあなたの選択ですが、その時間を人のために使って、誠実な言葉と行動を重ねていくことに集中し、他者とよりよい関係を結んでいく2学期となりますようにと願います。そしてこの生き方が皆さんの中でしっかりとした一本の軸となって、皆さんの人生を支えてくれることを祈っています。

話は戻りますが、研修会では、先生方と、誰と共に歩むのか、そして、誰と共に歩んでいきたいのか、随分議論しました。生徒たちとともに歩む、家族と共に歩む、友人とともに歩むなどいろんな意見が出ました。その後、私自身も、また深く考えなおしましたが、真に「共に歩む」ものとは、私たちの学校にとっては、神様のことです。福岡海星女子学院は、ミッションスクールです。ここには、神様が込められた期待と思いがあります。修道会は今年で125年、私たちの学校は60年、神様からの呼びかけを聴き、それに「はい」と応えて歩んでまいりました。したがって、私たちの教育活動の一つ一つに、神様からあなたたちに与えられた使命が存在し、日常のあらゆるところに、「他者のために、他者とともに、いつでも、どこでも、だれのところにでも」という修道会の理念が流れています。

1年A組のある生徒が、7月12日のシスターのご講話に対して、このように述べていました。「神様は、わたしたちの周りにいる人や、あるものをとおして、私たちに光を与えてくださっているので、それを受け入れなければならないと考えました。また、私たちの近くには光源になっている人が必ずいて、私も誰かの光源になっているということを知ることができてうれしい気持ちになりました。」この振り返りを読んで、みなさんに聞いてもらいたい詩がありましたので朗読します。

「輝きは人の数だけ世の中にある」

一人一人に神様は、魂といのちとともに、

その人固有の素晴らしさを、与えられたと言われます。

今、地球上に生きている人たちの素晴らしさを、

全部あつめることができるなら、

目の前に神様の素晴らしさを、一瞬のうちに、

見ることができるのです。

神様はご自分の美しさを、

一人一人に与えられたのです。

人間一人一人は全部違うかたちで、

神様の宝をもつ器なのです。

神様から与えられている宝を輝かすこと、

それが一人一人の使命なのです。

魂は、あなたの素晴らしさを輝かす源です。

一人一人は個性豊かな良さがあって、輝いているのです。

そしてあなたが、他の人の素晴らしさを認める時、

木漏れ日のように、あなたの心に神様の美しさが差し込むのです。

皆さん、一人一人が誇れる福岡海星女子学院でありますように。そして、自分の時間を喜んで他者に差し出し、自分を使うことができますように。生徒の皆さんにとって、よき2学期であることを心から祈ります。

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