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講堂朝礼〜生徒へのメッセージ〜

Messages for Students

聖母月のつどい  シスター入江純子        

テーマ「知るべきこと」

「さあ、立て、ここから出かけよう」 ヨハネによる福音書14:31

美しい聖母月、5月です。大型連休をどのように過ごしましたか。気になっていた自分の部屋の整理をした人もいるでしょう。この連休を能登の地震被災地の瓦礫処理に出かけた人がおられました。なかなかできないことだと思いました。この方たちは東北や神戸などの震災でたいへん苦しい思いを味わった人たちです。その時に関わった人とのありがたい経験に後押しされて、連休の自分の処し方を選ばれたのでしょう。他者の痛みがわからないと隣人になる行動はとれないでしょう。「自分と同じように隣人を愛しなさい」というイエスの言葉です。神さまに愛され、多くの人に大事にされて育まれ、今ここにいる私たちです。 他者を大事にする素地はすでにいただいています。

さあ、立て。(行動しよう)ここから出かけよう。(この今の私から出かけよう)」

先日シスターはバスで席を譲っていただきました。「すぐですから結構です」と言ったのですが、「次で降りますから」と言われましたが、この方は次で下車しませんでした。隣人になるとは相手の負担にならない自分の処し方で関わっていくことです。

さて、マリア様は 今のあなたたちの年齢の時に、大天使ガブリエルから声をかけられました。その時マリア様は、ダビド家のヨセフのいい名づけでした。将来に対して夢や希望があったでしょう。突然、神から遣わされた大天使が一方的に語ります。

「おめでとう、恵まれた方、主があなたと共におられる。」マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。天使は言った。「マリア恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。」・・・マリアは天使に言った。「どうしてそのようなことがありましょうか」・・・天使は答えた。・・・「神にできないことは何一つない。」マリアは言った、「わたしは主のはしためです。お言葉とおりこの身に成りますように。」

マリア様は、「さあ、立って」、この時点で「ここから出かけた」のです。 取り返しのつかない、後戻りのできないこと、すべてを受け入れました。マリア様は主のはしためとして生きることを承知されたのです。はしためは自分の都合をとやかく言いません。主のお言葉どおりになるように私をしてください。マリア様が立って出かけた道とは、「私は道であり、真理であり、命である」と言われたイエス様のつけられた「道」を共に歩まれたのです。

「私を通らなければ誰も父のもとに行くことはできない。」(ヨハネ14:6)

マリア様は父である神と、御子であるイエス様の想いを信じておられたのです。 ヨハネ14章のこの箇所はイエス様が弟子たちとの最後の別れの時に言われた言葉です。イエス様が十字架を背負ってゴルゴダの刑場に向かう時に話された言葉です。イエスが担われた十字架には、生涯神に対する従順と人に対する愛が明らかに示されています。

知るべきこと」、それは、「わたしが父を愛し、父がお命じになった通りに行っていること」を世が知るべきである。さあ、立て、ここから出かけよう。

シスターの一言:さあ、私の立っているここはどこでしょうか。もちろん福岡海星女子学院です。信じて出かけましょう。

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