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講堂朝礼〜生徒へのメッセージ〜

Messages for Students

「すべてのいのちと、ともに生きる」 ― 聖フランシスコの『ラウダート・シ』に学ぶ ―                        校長 古賀 誠子

皆さん、おはようございます。秋晴れの美しい天気が続いています。今日は、私たちの身近にある自然や、周囲の人々との関わりについて、いつもとは少し違った視点から考えてみたいと思います。

皆さんは、空を見上げて美しいと感じたことがありますか。木々の緑に心が安らいだり、雨上がりの空気を心地よく感じたりしたことはあるでしょうか。

私たちは、毎日たくさんの自然に囲まれて生活しています。このキャンパスもそうですね。緑豊かな環境の中で、皆さんはのびのびと学校生活を送っています。今は収穫の時期を迎え、木々に実った果実を手に取り、味わったこともあるでしょう。しかし、自然があまりにも身近にあるために、自然の恵みを当たり前のものとして考えていませんか。

先週の宗教朝礼では、アッシジの聖フランシスコについて学びました。私たちの学校を設立した「マリアの宣教者フランシスコ修道会」は、聖フランシスコの教えの中に設立された修道会です。シスターが話された、フランシスコのマントに身を包むには、自分自身を小さくしなければ入らないというお話も、深く考えさせられました。

そのご講話の中で謳われた「太陽の賛歌」も、印象的でした。聖フランシスコは、太陽や月、風、水、大地、そして動物たちを兄弟や姉妹と呼び、神様がお創りになったすべてのいのちを大切にしました。自然を人間のためだけに存在するものと考えるのではなく、神様がお造りになられた、かけがえのない恵みとして、感謝しました。

この精神を受け継ぐ大切な言葉が、「ラウダート・シ」です。「主よ、あなたを賛美します」という意味です。第266代教皇フランシスコは、聖フランシスコの精神に学び、回勅『ラウダート・シ』を通して、私たちが暮らす地球を大切にし、すべてのいのちとともに生きることの大切さを訴えました。

では、私たちは、この教えを、日々の生活にどのように生かしていけばよいのでしょうか。お話ししたいことが、二つあります。

一つ目は、私たちが受け取っている恵みに気づくことです。

毎日の食事、飲み水、教室に差し込む光、友達と過ごす時間。私たちは、こうしたものは、普段、当たり前のこととして受け止めています。しかし、食事が自分のもとに届くまでには、作物を育てる人、運ぶ人、調理する人など、多くの人の働きがあります。また、水や空気、豊かな自然も、私たちのいのちを根底からしっかり支えています。

こうして考えると、私たちの暮らしは、自分一人の力で成り立っているのではないことがわかります。身の回りにあるもの、一つひとつに丁寧に目を向けてみましょう。あなたには、それが見えますか。「感謝」の気持ちはここから生まれます。そして、「感謝」を行動に移すことが私たちには求められます。例えば、食べ物を粗末にしないこと、水や電気を無駄にしないこと、教室や学校を大切に使うなどです。こうした小さな行動が、神様から日々与えられている恵みを次の世代へとつないでいくことに繋がります。

教皇フランシスコは『ラウダート・シ』の中で、ものを次々と消費することを当然とする生き方を見直すよう、私たちに呼びかけています。欲しいものがあれば買う、いらなくなったらさっさと捨てる。繰り返していませんか。消費が、エスカレートすると、以前買ったものさえ忘れてしまって、一度も使ったことがないままどこかに眠っていませんか。豊かに暮らすとは、たくさんのものを持つことに限りません。すでに与えられているものの価値に気づき、大切に使うこと、これも豊かな生き方なのです。

二つ目は、自分と異なる存在を大切にすることです。

地球には、さまざまな動植物が共に生きています。そして、私たち人間も、一人ひとり異なる考え方や個性を持っています。自分と意見が違う人、得意なことが違う人、自分とは異なる立場にいる人に出会ったとき、皆さんはどのような態度で接していますか。

聖フランシスコが、かつて人々を恐怖に陥れていたグッビオの狼に向き合い、それを諭した。何もせずに生かされている鳥たちに神の恵みを語りかけたというお話を、覚えていますか。彼は、自分とは異なる存在を無関心に遠ざけるのではなく、そのいのちに目を向け、関わろうとしました。私たちも、その姿勢に学びます。

フランシスコは、このようにして自然や動物たちと向き合い、そして、自分と同じ人間とは、なおさら結ばれていると考えていました。

現実に目を転じてみましょう。学校生活において、友達と意見が合わなかったり、相手の言葉に傷ついたりすることもあるでしょう。そのようなとき、相手を否定するのではなく、まずは相手の話を聞いてみる。困っている人に気づいたら、声をかける。自分の言葉や行動が、誰かを傷つけていないか振り返る。そうした心がけが、互いを尊重し、誰もが安心して過ごせる学校をつくります。

自然を大切にすることも、人を大切にすることも、根本にあるのは同じです。それは、自分の都合だけで物事を考えるのではなく、自分以外のいのちや存在に目を向けるということです。

聖フランシスコは、亡くなる直前に「さあ始めよう」と言い残したと伝えられています。皆さんも、今日、自分にできる一歩を踏み出してみてください。

その小さな一歩が、学校をより温かい場所にし、やがて社会や地球の未来を支える力になることを願っています。

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